得意なことを活かしてNPOや地域と関わりたいバックエンド・インフラ・ミドル寄りのエンジニアに読んでほしい、地域やNPOとの関わり方

   

エンジニアと地域・NPOの関わり方

ふと思い立って「社会人 エンジニア ボランティア」でgoogle検索をかけてみました。検索結果に炎上の形跡しか見えませんw

ただでさえハードワークを踏ん張っている人が多いエンジニアのハートを熱く燃え上がらせた、「オリンピックのためにボランティアで働くエンジニアが4万人必要」発言。

ですが一方で
「自分が住む地域に得意なことで貢献したい」
「自分の技術を仕事以外の形でも社会に役立てたい」
「スキルアップのために職場以外の実践の場がほしい」
あるいは
「地域活動の人たちのパソコンに弱いっぷりが見てられないから、手助けしたい」
といったことを考えているエンジニアの方も少なくありません。

ボランティアという言葉の捉え方は人により様々ですが、共感する活動・気の合う人たちと関わりながら自分の得意なことで貢献するって、けっこういいものですよ。

ということで今回は、エンジニアの得意を活かしたボランティアについて考えてみました。

得意なことを活かしてNPOや地域と関わりたいバックエンド・インフラ・ミドル寄りのエンジニアに読んでほしい、地域やNPOとの関わり方

エンジニアと地域・NPOの関わり方

エンジニアの「スキルを活かしたボランティア」市場

私は学生の頃、NPOでITをやりたいという想いを胸にエンジニアとして就職しました。ファーストキャリアはJavaを使った業務アプリのバックエンド開発です。ところが実際にソーシャルセクターで活動しようとしてみたら「エンジニアが求められるNPOのIT支援≒ウェブサイト制作」という現実を知りました。
そう。得意なことを活かしてNPOで活動したいのに、世に出ているプロボノ案件は「ウェブサイトづくり」が圧倒的多数なのです。

「それってデザイナーとコーダーじゃん(私じゃない)!」
「プログラマは求められていないのか…」
と気落ちしたりして。

シビックテック関係などでアプリ開発をやってる人たちもいますが、「社会課題の現場で活動している団体と一緒に何かやりたいんだ!」と思ったときに、これだと思えるボランティア募集情報はけっこう絶望的に少ないんですよね。

顔の見える関係になってから「活躍の場」が見えてくる

諦めず色々な人に「NPOでITをやりたい」と言い続けながら、色んな活動でボランティアをしたりイベントに参加したりしてみました。
得意なことと結びつかなくても、地域で色んな立場の人と話をしたり一緒に何かができるのは楽しいことです。

諦めずに数年間粘ってみたら、段々と知り合いづてに色々な内容のプロボノ依頼も貰えるようになってきました。

ITで「顔の見えない誰か」の役に立ちたいと願うよりも、好きな活動・自分の地元・しっくり来るコミュニティを見つけて関係をつくっていくことこそが、「活躍の場」への道筋なのかもしれません。
当たり前のことですが、人間、よく知らない相手には頼み事をしづらいものです。特に団体の根幹の部分に関わることの多いITのことはなおさら。
人間性を知っている相手、信頼できる人だからこそ頼れることがある。
「ITで誰かを助けたい」頭が先行すると、こういう基本的なことが盲点になってしまいがちなので、気をつけたほうがいいなーと思います。

顔の見える関係

顔の見える関係だからこそ、できることがある

ITのニーズはスポット的

表向けに大々的な募集をかけることが少ないだけで、Webサイト以外のITニーズって意外とあるんです。
実際、団体の主催者と顔見知りになると「こういうことで困ってるんだよね」という生の声はよく聞こえてきます。

なぜボランティア募集の情報が表に出てこないのか?
理由のひとつは需要が突発的に、単発で発生するから。ふたつめの理由は、今そこにいる人で最低限なんとかして(できて)しまうから。

基本的に通年でエンジニアの力が必要という状況は珍しく、何かしらのプロジェクトでエンジニアのボランティアが活躍したり、スポット的にPCに詳しい人が頼られることが多いです。

なので、縁のある団体と日々の活動やイベントの参加・運営といった非ITの部分で関わりながら、「ITで役に立てますよ!」と言っておくと色んな話が入ってくるんじゃないかなあ。

尖った専門性よりもざっくりとした得意分野が役に立つ

エンジニアが地域やNPOの活動で活かせるスキルは、サーバーの構築やネットワーク設定のノウハウ、プログラミングなどよりも、ある種のテクノロジー慣れなのかもしれないと思います。
PCを使い慣れている、「サーバー」という単語を聞いてもビビらない、わからないことをググって解決できる、とかそういうレベル感。
「専門性を活かす」というよりは、仕事で培ったベースの力を地域にフィットする形で発揮できると一番みんなが幸せになれる気がします。

大事なことは高度な技術やクオリティではないんですよね。
ITだけには拘らずフラットに活動に関わっている人が、なんだかんだ一番いい形で成果を出している気がします。とりあえず私のまわりでは。

地域の団体とフラットに関わる

地域の小規模な団体はこんな感じです

と、ここまで書いてきた内容はあくまで地域密着で地元の人を中心にローカルなコミュニティを形成したり、地域に腰を据えて社会課題の現場で活動している団体を前提に書いています。

ソーシャルベンチャー的な「世の中を変える」方向性の団体や全国規模で事業を展開する大規模なNPOでは、また様相は違うのかもしれません。

いずれにせよ、個々人が共感できる活動に出会い、団体にも個人にもしっくりと馴染む関わり方ができるのが一番大事です。
ITのバックグラウンドを持ちながら、仕事以外の第3の場所で素敵な時間を過ごす人が増えることを願って。

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