Wordcampで考えた、NPOが見習いたいコミュニティ運営について

   

WordPressユーザの/による/のためのお祭りWordcamp2017に初参加してきました!

イベント当日から爆速でレポート記事が上がってきている中で出遅れた感もありながら、日頃プロボノで関わっているNPO・非営利セクターの人間として見習いたい部分をたくさん見つけた一日だったので、コミュニティ運営とイベント設計を中心に参加レポートを書いていきたいと思います。

まず感動したのはコミュニティの入り口を開く仕掛けの数々

カンファレンスなので複数の部屋で同時進行でセッションが開催されているのですが、その傍らでアンカンファレンスや出展ブースツアー、懇親会でのライトニングトークなど「参加できる企画」や「参加者自身が話をする機会」がぜいたくなくらいに設けられていました

ハッシュタグ(#wctokyo)もとても活発で楽しかったです。

アンカンファレンスってファシリテーターの人手もそれなりに必要だし、運営はけっこう大変なはず。それでもイベント参加者にとって誰かと楽しく話せた体験ってイベント全体の満足度や学びの質に直結するんですよね。
ぼっち参加でも退屈しない設計が素敵だなと思いました。

首から提げられる名札一体型のパンフレット

イベントの時に配布されるA5のパンフレット、手に持つものが増えて邪魔になったことありませんか?
Wordcampのパンフレットは手のひらサイズの小さなブックレットで、名札のようにストラップで首にかけたまま持ち運べる、ストレスフリーで素敵なアイテムでした。

こちらは制作者の方のブログなのですが、UX(ユーザエクスペリエンス)の考え方を解説しながら、どうしてこの形に行きついたのかが紹介されています。

WordCamp Kyoto2017の参加者パスのデザインとコンテキスト

WordCamp Kyoto2017の参加者パスのデザインとコンテキスト

使う人の状況や環境を想像したうえで作りこんだデザインが、参加者のよい体験を生み出すんですね。デザイナーってすごい!

「できる人ができることをやればいい」空気感

ソフトウェアの開発もイベントや勉強会の開催もすべてボランティアからなるWordpress。「貢献」という言葉がたびたび聞こえてきますが、そこから嫌なプレッシャーを感じさせない語り口と空気づくりはさすがだなと思いました。

Wordcampから考える「貢献」について、こちらのブログにとても共感したので、紹介させていただきます。

WordCamp Tokyo 2017に参加して「貢献」について改めて考えさせられた話

WordCamp Tokyo 2017に参加して「貢献」について改めて考えさせられた話

WordPressは世界中のすごいエンジニアが作っていると思われがちですが、現実はWordpressを力いっぱい支えているのはほんの一握りの限られた人だ、とのこと。

ソフトウェアの利用者数やイベントの参加人数がこれほど多いにも関わらず、貢献の輪を広げることにはやはりWordpressでも苦心されているようです。この苦労は世の中のおおよその非営利活動と通ずるものが多いんだろうな。

心の中で超共感しながら、やはりWordpressコミュニティの中では自分自身もフリーライダーのひとりなわけですが、それでも居心地の悪さは感じませんでした。

それはおそらく「貢献」の重要性は随所で語られながらも「(イベントや勉強会への)参加もコミットのひとつの形」「コミッターは最初からコミッターだったわけではない」というような言葉も聞けたからなのかなと

こういうのが成熟したコミュニティなのか……。

参画メンバーへのノウハウ共有

多人数のプロジェクトでは情報とファイルの共有が超重要!ファイル共有のわかりやすさは間違いなくコミットのしやすさに直結します

WordcampではGithubで制作物のファイル共有をしているようです。エンジニア系イベントでは常識かもしれないけれど、これはすごく使いやすそう。

チームでプロジェクトを走らせている非営利セクターのみなさん、不要な手間を生まないファイル共有ができているか、一度見直してみませんか?

エンジニア的市民活動としてのWordcamp

「地域の暮らしに必要なものを地域で暮らす当事者がつくる」そういった自主的な活動を企業や事業者がやれば「組合活動」、一市民が集えば「市民活動」「地域活動」と呼ばれますが、WordPressをはじめとするオープンソースもエンジニアが関わる非営利活動のひとつの形なんだ、ということを、改めて肌で感じる一日でした。

NPOや市民活動といった非営利活動とオープンソースコミュニティ。まったく異なる分野ながら学べることは多く、改めてエンジニア文化圏からNPOセクターへ越境しているプロボノとして、できることは色々あるのかなと思います。

セッションにまったく触れないレポートになりましたが、聞けたセッションも聞けずに資料だけ拝見したセッションも、どれもとても勉強になりました!
運営のみなさま、登壇者のみなさま、本当にありがとうございました。

ちなみに、IT関連業の方以外にも間違いなくおすすめしたいセッションはこちらです。

なぜ人は怪しい壺を欲しくなってしまうのか WordCamp Tokyo 2017Ver

以上、プロボノ目線のWordcamp参加レポートでした。楽しかったよ!

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