NPOがホームページを作りはじめる前に考えておきたい、運用のための4つのポイント

   

NPOがホームページを作りはじめる前に考えておきたい、運用のための4つのポイント

プロボノをやっていて、ホームページのご相談を受けると、必ずといっていいほど聞かれることがあります。
Webで情報発信をしたいんだけど、ブログやSNS、ホームページ、何を使うのが一番いいの?
Facebookの情報発信、皆やってるけどうちもやったほうがいいの?

ブログやホームページはあくまで活動のための道具です。
・道具を使って何をしたいのか
・誰に何を発信したいのか
・どんな結果を期待しているのか
という情報発信をする前提をはっきりさせておく必要があります。
前提さえしっかりしていれば、目的に適した道具を選ぶのはそう難しいことではありません。

というわけで今回は、団体に最適な情報発信の手段を知りたいあなたにこそ読んでほしい、
ホームページ?ブログ?SNS?Webで情報発信をする手段を決める前に考えておきたい、運用のための4つのポイントをご紹介します。
そもそもの目的ってなんだろう…という方は先にこちらの記事を参考に、団体の情報発信戦略を考えてみてください。

発信する情報の種類を考える

Webで発信されている情報をおおまかに分類すると、3つの種類に分かれます。
・フロー情報
・ストック情報
・トップページ/ランディングページ
あなたが発信したい情報の機能は、このうちどれに当てはまりそうですか。

フロー情報

新鮮な情報にこそ意味があり、古いものは流れていく種類の情報のことです。主にイベントの告知や参加者募集など、「いまこの時に」伝えたい情報がフロー情報にあたります。
実はFacebookでの投稿はGoogleなどの検索結果からは探せません。タイムラインの上を流れていく種類の情報なので、正真正銘のフロー情報です。

ストック情報

時間の経過によって情報の価値が変わらない種類の情報のことです。団体概要や料金表、団体からのメッセージ、活動報告など、固定的な内容のものがストック情報に該当します。
ただ、「団体概要が5年前のもので現状と乖離している…」なんてことでは情報公開の意味がないですから、更新が不要な情報という意味ではありません。
少々ややこしいのですが、Googleなどの検索エンジンからの流入のあるブログなどは、今日でも1か月後でも情報の価値は変わりませんので、ストック情報に分類できます。情報発信の手段は関係なく、情報の鮮度が重要かどうかが分かれ目です。

ランディングページ

上のフロー情報にもストック情報にもあてはまらないのが、団体のWebサイトのトップページです。こちらは、ユーザーが他のサイトから最初にアクセスするページという意味で、ランディングページと呼ばれます。
ランディングページには「サイト全体の印象を決める」「サイト内の他のページへ移動するための導線を提供する」という役割がある点で、ストック情報とは異なる性質のページです。
とにかく名刺代わりのホームページがほしい、という時には、1ページに発信したい情報を詰め込んだランディングページを作るのもひとつの手です。

情報発信のイメージがストック情報なのかフロー情報なのか、ランディングページなのか。これを意識できると、ぐっと手段の話がしやすくなります。
ストック情報、フロー情報の考え方についてもっと知りたい場合は、こちらのページがわかりやすいです。

更新頻度を考える

発信する情報はどれくらいの頻度で更新する必要がありますか。
例えば団体の決算や活動報告ならば、更新頻度は年に一度くらいでしょうか。毎週開催しているイベントの活動報告であれば週に一回、イベントの告知や荒天など天候による施設の休館連絡ならば、必要な時にすぐに更新できる必要があります。
団体として情報発信したいことは一つではないはず。項目ごとにこれは月一回、これは随時、など、頻度を分けて整理してみてください。
Web情報発信の更新頻度を整理する

更新できるのかを考える

誰がどうやって情報を更新するか、更新の体制について考えてみましょう。計画の段階で運用面の体制を考えておけば、いざ作った後にこんなはずじゃなかった!となるリスクを回避できます。
外部の業者やプロボノに依頼してWebサイトの構築をするのであっても、その後の更新はある程度自分たちできるようにしておく必要があります。更新頻度の高い情報を特定の担当者しか更新できないのも問題です。
また、Wordpressなどのツールを使ったホームページでよくあるのがブログ投稿機能での更新はできるけれど、その他のトップページなどをいじれない!という悩みです。

Web情報発信の更新体制を考える
更新できないホームページを抱えることは「古い情報しかない=今は活動していない団体だと思われてしまう」「正しくない情報が外部の人に伝わってしまう」など団体にとってのリスクとなります。
大切なのはどのページをどれくらいの頻度で更新するか、どれくらいのボリューム感の業務を運用できるか。そして「自分たちで更新できないページは、保守契約を結んだり定期的に頼れるボランティアと繋がっておくなど、外部の人に依頼できる準備をしておくこと。慎重に考えましょう。

今のスタッフの体制ではちょっと更新できなさそう…という時は、どの情報をWeb化するか、どれくらいの頻度で更新するかを見直して、実現可能なボリュームにまで落としておくことをおすすめします。やってみなければわからない部分は大いにあるのですが、今見て見ぬふりをした問題は、いずれ表面化するはずですから。

他の手段をあわせて検討する

情報発信の手段はWebだけにあらず。
活動地域の住人にイベントの告知をしたいのであればビラやポスティングの方が有効です。活動に既に関わっている相手に団体のことをさらに知ってほしいならば、Webよりも直接会えるイベントの方が効果がありそうです。
通所型の施設の営業に関するお知らせであれば、メーリングリストを作成してもいいでしょう。

手段ありきで考えると、視野を狭めてしまいます。先入観を持たずニュートラルに、目的に対して合理的な選択を!

 - NPOに役立つITの話 , ,