NPOの寄付決済サービスはどうやって選べばいいの?【考えてみた】
運営に関わっているNPOでオンライン寄付決済ツールを導入するため、調べものや目ぼしいサービスへの問い合わせをアレコレ進める週末でした。
NPOが利用できる寄付決済サービスは増えています。2年前の2015年頃にも決済ツールを調べたことがあるのですが、その頃よりも明らかに「寄付決済」の選択肢は多いです。
でも、だからこそ、どう選べばいいの?
ああでもないこうでもないと頭を振り絞って考えている(まだ選定中)のですが、現段階でどうやって検討を進めてきたか、考えたことを記録しておこうと思います。
同じお悩みのある方には何かしらのお役に立てば。
NPOが使える寄付決済サービスをまとめて知りたい
まず、オンライン決済サービスのすべてが「寄付用途」で利用できるわけではないようです。
というわけでNPOが利用できるオンライン寄付決済システムをまとめて比較している記事を参考にしました。利用料や手数料、対応しているカード会社など、気になる点を見比べられるのがうれしいところ。
【寄付決済フォームは何が良い?NPOが使える決済フォーム10選】
寄付決済フォームは何が良い?NPOが使える決済フォーム10選
【NPO向けオンライン寄付決済システムまとめ2016】
NPO向けオンライン寄付決済システムまとめ2016
サービスの機能を正しく知る
「寄付決済サービス」と一言でいっても、「何が提供されるのか」はサービスごとにさまざま。
自団体では何が必要かを考えながら、サービスを選定していくことが必要です。
決済代行
「オンライン寄付決済サービス」「クレジットカード決済代行サービス」であれば間違いなく提供されるサービスです。
複数のクレジットカード会社の審査を一社ずつ受けたり、入出金のやり取りを一社ずつ対応するのは手間ですよね。決済代行業者を挟むことで法人は決済業務を一本化できる、というのが最も基本的な決済代行サービスです。
決済代行+申込フォーム提供
寄付者がホームページから入力するための申し込みフォームを提供しているサービスが多いです。(一部、提供のないサービスもあり)
お金と個人情報を取り扱うにあたって、セキュリティの担保は大事。しかし大変な労力のかかる作業です。ホームページ制作・保守を業者に外注している場合であっても、油断は大敵。
(ものすごく大雑把に言うと)決済代行業者は一般的な制作会社よりも、より堅牢なセキュリティを担保することが義務付けられています。決済の申し込みフォームは極力、利用するサービスから提供されるものを利用するべきです。
決済代行+寄付者管理機能
大抵は、何かしらの管理画面が提供されます。そこで何ができるのかはサービス次第。
サービスによっては管理画面にいわゆるCRM機能を備えていて、寄付者管理やメール送信などができる場合があります。
既に別の寄付者管理システムを導入しているのであれば、Salesforce向けの連携機能やCSV出力機能を利用して団体の運用が問題なくまわりそうか?どんな業務が必要になりそうか?という観点で機能面を確認してみてください。
団体が求める要件を満たせるか、問い合わせで確認してみるのもいいでしょう。
何を軸にサービスを取り入れたいかを考える
寄付決済サービスを導入する目的は何ですか?デジタルファンドレイジングのために足りない(=ツール導入によって埋めたい)要素として、どんなものが頭に浮かびますか?
ツール選定は団体の現状を俯瞰して考えていくことが重要だと思っています。
コンビニ支払いや口座振込にも対応したい
サービスによって取り扱っているクレジットカード種別は異なりますが、クレジットカード以外の決済方法を選べるサービスもあります。コンビニ支払いや口座振込に加えてPayPalやPaidy、最近ではBitcoin等に対応したサービスも出てきています。
選択肢が多いことが必ずしも最適解ではありません。自団体がターゲットとしている寄付者層にとって身近な支払い方法は何か、という視点を忘れずに。
既に口座振込を導入しているのだとしたら、乗り換えるか共存させる(クレジットカード決済のみ導入する)かを検討することになるでしょう。基本的にはひとつに纏められるものは一元化して、事務的な運用コストを減らすのが望ましいですね。
フォームを実際に使ってみる
サービス提供各社はサンプルのフォームや管理画面を操作できるデモサイトを用意していることがあります。
また、多くのサービスでは実績として利用団体が公表されています。その団体の寄付ページを開いて、試しに申し込みフォームを見てみると、イメージを多少掴めるかもしれません。
運用面を考える
クレジットカード決済を導入すると、様々な運用業務が発生します。
- 決済代行業者からの入金サイクルは?
- 寄付が発生した場合、どうやって通知を受け取るのか?
- 連携したいツールにはどのタイミングでどんなデータが送られるのか?
- 継続課金を導入する場合、寄付者への継続の通知はどのように行われるのか?
- 継続課金の決済が失敗した時(クレジットカードの与信不足、利用停止の場合など)、団体側で何か対応が必要になるのか?サービスと寄付者の間で対応が完結するのか?
- 住所やクレジットカード番号が変更になったとき、寄付者自身が手続き可能か?団体側が手続きする必要があるのか?
導入後に慌てることにならないよう、利用したいサービスが決まったら契約前に確認をしておくといいでしょう。
むすび
「ネットでクレジットカード決済ができるようにしたい」というシンプルな要件でしたが、新しいシステムの導入って、選定と意思決定が最大の関門なのでは!?と思うぐらい、考えたほうがよさそうなことが山積みでした。
目下引き続き選定期間中ですので、こんなことも考えておいたほうがいいよ!などのアドバイスはぜひ教えていただけると嬉しいです。